前林明次サウンド・インスタレーション

[I/O] whiteroom

日時：
２０００年１０月１５日（日）〜１０月２２日（日）
１０：００〜１８：００（金曜日は２１：００まで）
月曜日休館

場所：
東京都現代美術館　スタジオ（地下２階）

入場無料

１５日１４：００よりアーティスト・トークあり


「空間と時間とはいつも入りまじって交差しあい、重なりあって関連している．それ
ゆえ、やはり統一体として理解されなくてはならない」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　オットー・フリードリヒ・ボルノウ

　わたしたちの意識はイベント（事件、出来事）というかたちで空間と時間を関連づ
け、意味づけを行い、必要とあれば保存し、想起したりしているように思える．逆に
言えばイベントを感覚するときわたしたちは空間と時間を意識する、ということにな
るのだろう（だから夢の中のイベントにも空間と時間は確実に「存在」しているはず
だ）．そしてもしこのイベントを、精密に保存・再生できるとしたら、空間自体をイ
ベントを伝達する媒体（メディア）とすることが可能になるのではないか．
　今回の作品、[I/O] white room は、 「白い部屋」を媒体に、その中であらかじめ
保存されたいくつかのイベントを聴覚的に再現する作品である．再現にあたってはイ
ベントを支配する重要なファクターである「雰囲気」や「気分」、または「気配」な
どといったものの伝達も試みようとしている．
タイトルの[I/O]とは、[input/output]の略で、記憶媒体からの情報の入出力のこと
を意味しているが、与えられた聴覚情報を処理し、実際の空間条件の中にマッピング
していく、わたしたちの「リアリティを創り出す回路」のことも示唆している．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　前林明次